いよいよFIBA女子バスケットボールワールドカップ2026が開幕します。
世界最高峰の女子バスケットボール16か国が、9月4日から13日までドイツ・ベルリンに集結します。
女子日本代表・AKATSUKI JAPANはグループAに入り、マリ、開催国ドイツ、スペインと対戦します。
ポッサムチャンネルのグループリーグ予想は、現時点で1勝2敗です。
ただし、ドイツはSatou Saballyが欠場。妹のNyara Saballyも故障明けで、日本がドイツを破って2勝1敗まで持っていく可能性も十分あると思っています。
そして今回、単純な勝敗以上に気になっているポイントがあります。
WNBAラスベガス・エーシズでプレーしていた山本麻衣が大会直前に合流し、チームのケミストリーは本当に間に合ったのか?
町田瑠唯は本来のコンディション、ゲームコントロールを取り戻しているのか?
コーリー・ゲインズHCは必要な場面でタイムアウトを取るのか?
本番用のセットプレーを何種類準備してきたのか?
ダブルチーム、トラップ、ゾーンプレス、オールコートプレッシャーをどのタイミングで使うのか?
親善試合ではほとんど見せなかったものを、本番で本当に出してくるのか。
いよいよ答えが出ます。
女子日本代表 グループリーグ日程【日本時間】
| 日程 | 日本時間 | 対戦相手 |
|---|---|---|
| 9月4日(金) | 18:30 | マリ |
| 9月5日(土) | 25:00 ※9月6日(日)1:00 | ドイツ |
| 9月7日(月) | 24:50 ※9月8日(火)0:50 | スペイン |
日本戦は地上波フジテレビ、CS放送フジテレビONE/TWO/NEXT、FOD、DAZNで放送・配信予定です。
2026年大会は16チーム制!大会方式を先に理解しておこう
2026年大会から女子ワールドカップは16チーム制になりました。
4チームずつA〜Dの4グループに分かれ、各グループで総当たり3試合を行います。
各グループ1位は準々決勝へ直接進出。
2位と3位は、一発勝負の「準々決勝進出決定戦」へ進みます。
グループAとB、グループCとDがクロスして対戦し、その勝者がベスト8へ進みます。
各グループ4位のみ、その時点で大会敗退です。
つまり、日本がグループAで3位だったとしても終わりではありません。
まず3位以内に入り、その後の一発勝負を取ればベスト8。
日本にとって、まず重要なのは初戦マリを確実に取ることです。
全4グループをチェック
グループA|日本・スペイン・ドイツ・マリ
日本/スペイン/ドイツ/マリ
日本が入ったグループAはかなり面白い組になりました。
FIBAの大会直前Smart Power Rankingsでは、スペイン3位、ドイツ7位、日本8位、マリ15位。
これは公式の世界ランキングではなく、ロスター、直前の強化試合、負傷者などを考慮したFIBA編集部による大会直前評価です。
現時点ではスペインが一歩リード。
日本とドイツが2位を争い、その後ろからマリがアップセットを狙う構図だと思います。
初戦マリ|日本が絶対に落としたくない試合
マリを簡単な相手だと思わない方がいいでしょう。
中心になるのはSika KonéとMaimouna Haidara。
FIBAも大会直前の分析で、この2人をマリの中心として高く評価しています。
Konéは強力なインサイド。
Haidaraもサイズがありながら得点、リバウンド、ボールハンドリングまでできるオールラウンダーです。
一方、マリには大会直前の大きな戦力ダウンがあります。
Mariam Alou Coulibalyが膝の負傷で欠場。
一度は代表復帰が期待されていましたが、最終的にワールドカップ出場を断念。
代わって姉のNagnouma Coulibalyが最終メンバーに入りました。
さらにスペインとの直前の強化試合では58-97と大敗。
日本のスピード、ボールムーブメント、アウトサイドシュートを考えれば、ベスト8を狙う以上は勝たなければならない相手です。
ここを落とすと、その後がドイツ、スペインなので一気に苦しくなります。
第2戦ドイツ|ここが最大の分岐点
個人的には、日本のグループリーグで一番重要なのがドイツ戦だと思っています。
まずSabally姉妹について整理しておきます。
姉のSatou Saballyは欠場。
一方、妹のNyara Saballyはドイツの最終メンバーに入っています。
ただしNyaraはふくらはぎの問題で実戦から離れていた期間があり、万全のゲームコンディションなのかは実際に試合を見ないと分かりません。
それでもドイツは非常に大きい。
Leonie Fiebich、Nyara Sabally、Luisa Geiselsöder、Marie Gülich、Frieda Bühnerなど、サイズとフィジカルのある選手が揃っています。
日本とは明らかに高さが違います。
ただしドイツは直前の強化試合で苦しんでいます。
スペイン、ハンガリー、トルコに敗れ、開幕直前の3試合は0勝3敗。
Satouがいない。Nyaraも故障明け。
日本が2勝1敗を狙うなら、このドイツ戦です。
第3戦スペイン|グループA最大の難敵
現時点でグループA本命はスペインだと思います。
Megan Gustafson、Maria Conde、Raquel Carrera、Awa Fam、Iyana Martinなど、サイズ、経験、若さのバランスが非常に良い。
そして直前の強化試合が素晴らしい。
ドイツ、ナイジェリア、ベルギー、マリ、中国に勝利。
開幕前の5試合を5連勝で終えています。
サイズがあり、ディフェンス強度が高く、ハーフコートでも得点できる。
FIBAのSmart Power Rankingsでも3位。
日本が勝つなら、普通にハーフコートで殴り合うのではなく、テンポを上げ、ターンオーバーを誘発し、3ポイントで優位を作る必要があるでしょう。
グループB|フランス本命。2位争いは混戦
ハンガリー/韓国/ナイジェリア/フランス
このグループの1位本命はフランスです。
Gabby Williams、Marine Johannes、Dominique Malonga、Valériane Ayayi、Leïla Lacanなど、世界トップクラスの選手が揃っています。
そして大会直前、Gabby Williamsがフランス代表のキャプテンに就任。
FIBAの大会直前Smart Power Rankingsでもフランスは2位。
A’ja WilsonとKelsey Plumが抜けたアメリカを考えれば、フランスにとって世界一を狙える大きなチャンスでもあります。
一方、韓国はインサイドの中心Park Jisuを欠きます。
ハンガリーにはDorka Juhasz。
ナイジェリアはアフリカ王者ですが、直前の強化試合ではなかなか結果が出ていません。
フランスが一歩抜け、その下の2〜4位争いはかなり混戦だと思います。
グループC|ベルギー対オーストラリアが首位争い
ベルギー/オーストラリア/プエルトリコ/トルコ
ここはベルギーとオーストラリアが中心。
ベルギーにはEmma Meesseman、Julie Allemand、Julie Vanlooらが揃います。
日本も大会直前にベルギーと2試合を戦い、77-78、85-89。
2試合とも敗れましたが、世界トップクラスのベルギーと最後まで競ったこと自体は、日本にとってポジティブな材料です。
オーストラリアにはEzi Magbegor、Alanna Smith、Steph Talbot。
ただしSami Whitcombが大会を欠場。
予選大会MVPだったWhitcombの離脱は小さくありません。
FIBAのSmart Power Rankingsではベルギー4位、オーストラリア5位。
直接対決がグループ首位を決める大きなゲームになりそうです。
グループD|優勝本命アメリカ。ただし直前にスター2人離脱
アメリカ/チェコ/イタリア/中国
もちろん1位本命はアメリカです。
ただし、開幕直前に大きなニュースが入りました。
A’ja WilsonとKelsey Plumが大会を離脱。
普通の代表チームなら、とんでもない戦力ダウンです。
しかしアメリカは、それでもまだ強い。
Breanna Stewart、Napheesa Collier、Chelsea Gray、Jackie Young、Kahleah Copper。
そしてCaitlin Clark、Paige Bueckers、Aliyah Boston、Angel Reese、Rhyne Howardなど新世代のスターまで並びます。
A’ja WilsonとKelsey Plumがいなくても、FIBAの大会直前評価は1位。
層の厚さが他国とは違います。
中国代表・李月汝がまさかのパスポート紛失で欠場
中国代表にも大会直前に信じられないニュースが入りました。
主力センター李月汝(Li Yueru)がワールドカップを欠場。
しかも理由はケガではありません。
パスポートが郵送中に紛失し、アメリカから出国できなくなったためです。
Li Yueruは2024年パリ五輪でも中国のインサイドを支えた中心選手。
中国には依然としてHan Xuをはじめ圧倒的な高さがありますが、この離脱は明らかに大きなマイナスです。
さらに中国は直前の強化試合でイタリアに2連敗。
グループDはアメリカ1位が本命ですが、中国とイタリアの順位争いも非常に面白くなりました。
優勝本命はやっぱりアメリカ!
A’ja WilsonとKelsey Plumが抜けたことで、アメリカが当初より戦力ダウンしたのは間違いありません。
それでも私は優勝本命はアメリカと予想します。
FIBAの大会直前Smart Power Rankingsは、
1位 アメリカ
2位 フランス
3位 スペイン
4位 ベルギー
5位 オーストラリア
6位 中国
7位 ドイツ
8位 日本
となっています。
日本が8位まで上がっているのも非常に興味深いところです。
女子日本代表 ワールドカップ2026ロスター
| # | 選手 | ポジション | 身長 |
|---|---|---|---|
| 2 | 今野 紀花 | SG | 179cm |
| 3 | 馬瓜 ステファニー | PF | 182cm |
| 6 | 後藤 音羽 | SF | 178cm |
| 8 | 髙田 真希 | C | 185cm |
| 10 | 渡嘉敷 来夢 | C | 193cm |
| 13 | 町田 瑠唯 | PG | 162cm |
| 14 | 朝比奈 あずさ | C | 185cm |
| 23 | 山本 麻衣 | PG | 163cm |
| 26 | 田中 こころ | PG | 173cm |
| 27 | 林 咲希 | SG | 173cm |
| 52 | 宮澤 夕貴 | PF | 183cm |
| 75 | 東藤 なな子 | SG | 175cm |
最大の注目は山本麻衣|WNBAから直前合流
今大会、日本で最も注目している選手の一人が山本麻衣です。
ワールドカップ予選でも日本の中心となり、今夏はWNBAラスベガス・エーシズで世界最高峰のバスケットボールを経験してきました。
そして大会直前、山本が女子日本代表に合流しました。
世界最高峰のスピード、フィジカル、判断の速さを経験したことは、日本代表にとって大きなプラスでしょう。
ただ、一つ心配があります。
代表への合流が大会直前になったことです。
バスケットボールは個人競技ではありません。
セットプレーのタイミング。
ピック&ロール。
スペーシング。
ディフェンスローテーション。
トランジションで誰がどこへ走るのか。
考えなくてもお互いの動きが分かるレベルのケミストリーを、短期間でどこまで作れたのか。
山本麻衣個人が何点取るか以上に、「山本麻衣が入った日本代表がどう変わるのか」を見たいです。
町田瑠唯は本来の町田に戻ったのか?
もう一つ大きなポイントが町田瑠唯。
町田の視野、パス、ゲームコントロール能力については今さら説明する必要がありません。
問題は、本大会でどこまで本来の状態に戻っているのか。
日本が走れているときはいい。
問題は相手にトランジションを止められ、ハーフコートで攻めなければならなくなったときです。
そこでゲームを整理し、誰に、どこで、どうやってボールを渡すのか。
スペインやドイツのようなサイズのある相手ほど、町田の判断が重要になります。
日本の直前状況|ベルギーには2連敗。でも悲観する内容ではない
日本はワールドカップ直前にベルギーと2試合を行いました。
77-78、85-89で2連敗。
結果だけを見れば2敗です。
しかしベルギーはFIBAの大会直前Power Rankings4位。
世界トップクラスのチームに2試合とも最後まで競ったこと自体は、ポジティブに見てもいいでしょう。
その前には韓国に2連勝しています。
日本は決して悪い状態でワールドカップに入るわけではありません。
ただし、接戦を「惜しかった」で終わらせず、本番では最後の2〜3ポゼッションを取らなければベスト8には届きません。
コーリー・ゲインズHC 本番でチェックしたい7つのポイント
1.必要な場面でタイムアウトを取るのか?
個人的にずっと気になっています。
世界大会では5-0、7-0、10-0のランが一瞬で起きます。
相手に完全に流れを持っていかれたとき、どこで止めるのか。
必要なタイミングで本当にタイムアウトを取るのか。
2.本番用のセットプレーを何個用意してきたのか?
トランジションだけでは世界トップ相手には勝てません。
ATO、ベースラインアウト、サイドラインアウト。
終盤の1ポゼッション。
相手がスイッチしたとき。
ゾーンに変えたとき。
日本の3ポイントが止められたとき。
状況別に何種類の答えを準備しているのか。
3.選手交代をどう使うのか?
あらかじめ決められた時間でローテーションするだけなのか。
それともマッチアップ、ファウル、シュートの調子、ディフェンス、ゲームの流れによって変えるのか。
4.ダブルチームをどこで使うのか?
日本は世界大会では基本的にサイズで不利です。
特にドイツやスペインのインサイドを、1対1だけで40分間守るのは簡単ではありません。
ポストへのダブルチームをどのタイミングで送るのか。
5.トラップをどこで仕掛けるのか?
コーナー、サイドライン、ボールスクリーン。
日本のスピードを守備でも利用するなら、相手にプレッシャーを与え、判断時間を削りたい。
6.ゾーンプレス、オールコートプレッシャーをいつ使うのか?
これまでの親善試合では、ゾーンプレスやオールコートプレッシャーを大きな武器として使う場面はほぼ見られませんでした。
本番まで隠していたのか。
それとも本当に使わないのか。
ここは非常に注目しています。
7.ハーフコートで点が止まったときの答えはあるのか?
最終的にはここだと思います。
日本は走れて、3ポイントが入っているときは強い。
しかし世界の上位チームは必ずそこを止めてきます。
走れない。
3ポイントも入らない。
そんな5分間にどうやって点を取るのか。
山本なのか。
町田なのか。
髙田、渡嘉敷のインサイドなのか。
セットプレーなのか。
ここに明確な答えがなければ、世界トップ8は難しいと思います。
ポッサムチャンネル勝敗予想|日本は1勝2敗
| 対戦相手 | 予想 |
|---|---|
| マリ | 日本勝利 |
| ドイツ | 日本敗戦予想 ※最もひっくり返る可能性あり |
| スペイン | 日本敗戦予想 |
現時点の予想は1勝2敗です。
まずマリには勝つと予想します。
スペインは現状かなり仕上がっており、日本にとって最も厳しい相手。
そして一番迷っているのがドイツです。
Satou Saballyが欠場。
Nyara Saballyも出場予定ですが故障明け。
ドイツは直前の強化試合0勝3敗。
一方、日本はベルギー相手に2試合とも接戦をしています。
1勝2敗予想ではありますが、日本が2勝1敗になっても全く驚きません。
その2勝目を取るならドイツ戦でしょう。
日本はベスト8へ行けるのか?
十分可能性はあります。
仮に予想通り1勝2敗になったとしても、グループAを3位で抜ければ準々決勝進出決定戦へ進めます。
そこで対戦するのはグループBの2位。
フランスがB組1位になると仮定すれば、ハンガリー、ナイジェリア、韓国のいずれかになる可能性があります。
どこが来ても簡単ではありません。
しかし日本が絶対に勝てない相手でもありません。
1勝2敗=終了ではない。
むしろ、その後の一発勝負が日本にとって最大の勝負になる可能性があります。
親善試合で隠していたものはあるのか?いよいよ本番
ここまで色々と書きましたが、親善試合は親善試合です。
本番まで見せなかったセットプレーがあるのか。
ディフェンスチェンジがあるのか。
プレスがあるのか。
終盤用のラインナップがあるのか。
山本麻衣と町田瑠唯をどう組み合わせるのか。
髙田真希、渡嘉敷来夢をどう使うのか。
本番で初めて見せる日本代表があるのか。
ここを楽しみにしています。
ポッサムチャンネルでは女子日本代表 全試合ライブ解説予定!
ポッサムチャンネルでは、女子日本代表のワールドカップ全試合をライブ解説予定です。
ぜひ試合時間を合わせて、一緒に見てください。
忖度はしません。
いいプレーはいい。
悪いプレーは悪い。
選手だけではなく、コーチング、タイムアウト、選手交代、セットプレー、スペーシング、ディフェンスローテーション、トラップ、ゾーンプレスまで見ていきます。
日本代表を応援しているからこそ、すべてを「ナイスプレー」で終わらせるつもりはありません。
世界相手に何が通用したのか。
何が通用しなかったのか。
そしてコーチングで何が変わったのか。
一緒にバスケットボールを見ましょう。
初戦は9月4日(金)18:30、日本 vs マリ。
いよいよ女子ワールドカップ開幕です!

